遺言書は民法上では15歳から作ることが可能です。遺言書を書くタイミングは、新しい家族ができた、大病や大けがをした、認知症の心配が出てきたなどライフステージの変化で書くことが多いです。

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遺言書を書く年齢とタイミングについて

遺言書を書く年齢とタイミングについて

 

この記事は遺言書を書く年齢とタイミングについて。
「遺言書を書くのは高齢になってから」と考えている方は多いですが、実は若いうちから準備することは非常に有意義です。
遺言書を書ける年齢の法律上の基準と、どのタイミングで書くのが適切かについて解説します。

 

 

遺言書を書こうと考えるタイミングは、人それぞれですが…
自分が亡くなることを意識した時になります。
家族が増えた、大きな病気や怪我をしたなど。
キチンとした遺言書は60代や70代で作ることが多いです。
若い人の場合、正式な遺言書までは行かなくてもエンディングノートっぽい物を作る人もいます。

 

関連記事:エンディングノートをつける理由

 

または自分が亡くなった後の後始末をお願いする死後委任。
独身で50代あたりから準備を始める人もいます。
死後事務委任と一緒に遺言書を作っておくケースもあります。

 

関連記事:死後事務委任契約を結ぶ年齢

 

正式な遺言書は15歳から作成可能

正式な遺言書は15歳から作成可能

 

キチンとした遺言書は15歳から作成可能です。
民法961条に15歳に達した段階で作ることができると書かれています。

 

(遺言能力)
第九百六十一条 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
第九百六十二条 第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しない。
第九百六十三条 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。
e-gov法令検索、民法

 

遺言能力について民法第961条~963条にルールがあります。
遺言書の作成に関しては未成年者の制限が取り払われております。

 

15歳で遺言書が書ける理由ですが、
遺言は本人の意思を尊重する行為であり、比較的早い年齢から認められていること。
15歳以上であれば、財産や家族のことを考えて判断できるとされていること。
後は、かつての元服(成人)を迎える年齢が15歳前後だった歴史的背景も影響していると聞きますが…
元服の部分については昔の慣習や文化なのかなと思います。

 

私は高校生の時に、弁護士になりたいと無謀な夢を抱いた事があります。
司法試験の難しさを知って一カ月で断念しましたが…
それから紆余曲折を経て行政書士をしているのだから、三つ子の魂百までってヤツでしょうかね。
その時に読んでいた口語民法と呼ばれる本に、遺言書は15歳で作れると書かれていました。
そこで見様見真似で遺言書を作った記憶があります。
何が言いたいかと言うと、高校生でも様式が整っていれば遺言書が作れるということです。
また10代や20代など若いうちから遺言書を作るメリットは、自分の人生を見つめ直す良いきっかけになります。

 

遺言書を書くタイミングについて

遺言書を書くタイミングについて

 

ここからは遺言書を書くことを検討する主なイベントについてご紹介します。

 

  • 財産増加や事業を始めた
  • 結婚や離婚した
  • 子供が生まれた
  • 大きな怪我や大病を患った
  • そろそろ年齢的にも
  • 認知症のリスクが出始める

 

上記の様な事柄が遺言書を意識する時だと思います。

 

財産の増加や事業を始めた時

仕事や事業で財産が大きくなってきた時や不動産を購入したなど。
事業承継や相続税対策を検討する必要性が出始めた時です。
財産をどの様に維持管理するかを考えたとき、遺言書を書く必要が出てきます。

 

関連記事:経営者が遺言書を作る理由

 

結婚や離婚、子供が生まれた時

結婚や離婚も遺言書を検討するきっかけになるかと思います。
または同性婚や事実婚のケースもあります。
自分にもしものことがあった時に財産をパートナーに残したい。
離婚して再婚した時に、前妻との間の子供と今の家族の相続問題への対策。
内縁関係の場合は、遺言書が無いとパートナーに遺産を渡せません。

 

関連記事:離婚経験者は遺言書が必須です。

 

関連記事:妻や夫に財産を全部渡したい時の遺言書

 

関連記事:同性婚や事実婚でパートナーに財産を残す

 

大きなけがや大病を患ったとき

大けがや大病を患った時、人は自分が死ぬことを意識します。
自分が居なくなった後のことを考えさせられます。
この時に終活や遺言書のことについて勉強すると思います。

 

年齢が上がってきて

遺言書作成のきっかけで一番多いのは加齢です。
自分が亡き後の事を嫌でも考えさせられます。
弊所の相談会や区役所主催の相談会でも70代や80代の方から遺言書について質問が多いです。
また認知症のリスクも出てくる時期でもあります。
認知症になってしまうと、遺言書も作ることができなくなります。
自分の頭がハッキリしている内に後の事を託す意味からも遺言書を検討する方が多いです。

 

作った遺言書は定期的に見直す

作った遺言書は定期的に見直す

 

遺言書は15歳以上の方で意思能力があれば誰でも作成可能です。
高校生が公正証書遺言を作ることも問題ございません。

 

作った遺言書は定期的に見直しすることをお勧めします。
本人を取り巻く状況は刻一刻と変化し続けます。
財産状況の変化、家族関係の変化、自分の加齢や体調の変化…
その状況に応じて最適な遺言書も変化して行きます。
遺言書は何度でも書き直しが可能です。

 

遺言書の書き直しには注意点があります。
新しい遺言を作る際には、古い遺言書は破棄して処分することをお勧めします。
遺言書は日付が新しいものが有効になります。
また古い遺言書も新しいものと矛盾していない部分は有効です。

 

関連記事:2通以上の遺言書が見つかった時

 

古い遺言書の上に継ぎ足す形にすると…
複数の遺言書が残り、複雑な相続になる可能性があります。
相続時に複数の遺言書があると、相続人はどれが正しいものか判断に苦しみます。
名義変更などの時にも、複数の遺言書を使うことになり、銀行や法務局への説明も煩雑です。

 

その様な事情もありますので、残しておく遺言書は1通だけにすることをお勧めします。
以上が遺言書を書く年齢とタイミングについてでした。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

 

行政書士やまだ事務所 所長

行政書士 山田 和宏

 

日本行政書士会連合会 13262553号

大阪府行政書士会 6665号

申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)

大阪府行政書士会 国際研究会会員

大阪府行政書士会 法人研究会会員

 

【適格請求書発行事業者】

インボイス登録済

番号:T1810496599865

 

【専門分野】

相続手続き(相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書、各種名義変更)

終活支援(遺言書作成、任意後見制度など)

国際結婚や永住許可など身分系在留資格のサポート

年間相談件数は、500件を超える。

 

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