
この記事は自筆証書遺言の財産目録について。
2019年に民法改正で財産目録をワードやエクセルなどパソコンで作ることが可能になりました。
上記のマンガでも全部とは言えないですが、ポイントをまとめております。
(この漫画に意味が有るのか、疑問に思うこともありますが…)
ここからは漫画のコマを掘り下げて解説していきたいと思います。

まずはPC作成で求められるルールをご紹介します。
遺言書は相続において絶大な力を持っております。
被相続人(故人)の最終意思なので遺産分割で最優先扱いです。
そのため遺言書の一部である財産目録にもルールが厳しくなっております。
財産目録のルールをざっと挙げてみました。
色々とルールが細かいですが、後で紹介する見本で確認するとシンプルです。
遺言書として使う財産目録は遺言書本文とセットになります。
例えば遺言書本文に「妻に目録1の財産を相続させる」とあれば、目録1の財産目録が存在する形です。
遺言書には目録1~目録3まで記載があるとします。
財産目録5や6があった場合、この部分は遺言書としての効果はありません。
目録5や6に関しては遺産分割協議が必要です。
次に財産目録はプリントアウト、手書きであるかを問わず紙であることが条件です。
例えばPCやスマホ内にあるファイルや電子メール、ドロップボックスなどのクラウド上、もしくはブログやSNSで書いてあったとしても…
遺言書内の財産目録としては使えないです。
エンディングノート代わりや遺産分割協議の資料としては使えるかもですが。
次に相続財産の特定ですが、紙に財産のデータ記入も大丈夫です。
預金通帳の見開きや不動産登記簿の全部や一部の写しでも大丈夫です。
コピーには財産目録であること、遺言者の署名と印鑑が必要です。
こちらの方が記入ミスが無く、銀行等に提示しやすいかなと思います。
次にPC作成の財産目録は1枚で終わることは少ないです。
目録1、目録2…目録10という感じで何枚も作ることが普通です。
この場合、目録ごとに遺言者の署名と印鑑押印が必要です。
どちらかが漏れていると、遺言書として使用できません。
印鑑は遺言書と同じものを使用すると良いでしょう。
財産目録が片面印刷とは限らないです。
両面印刷を活用している場合もございます。
(目録に載せる種類が多いなどで)
この場合、片面だけに署名と印鑑では足りません。
財産目録の表と裏の両方に署名と印鑑が必要です。
正確には財産目録が自筆でない場合になります。
(保険のために両面に署名と印鑑を付けた方が無難です)
なんで必要なのかと問われるとですが…
民法968条にそう書かれているからです。
(身も蓋も無い説明ですが)
参考までに民法第968条の条文を掲載いたします。
(自筆証書遺言)
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
引用:E-GOV法令検索、民法

まずはPC作成の財産目録を使用した遺言書になります。
文面は最低限かつシンプルな構成にしております。
仮の名前が誰かの本名と被らない様にしたら、戦国武将みたいな感じになってしまいました。
遺言者(作成者)と推定相続人が子供2人だけのシンプルな形です。
長女には不動産、長男には預貯金を相続させると遺言書に記載しました。
財産目録なしの遺言書だと本文に不動産や預金口座の詳細を記載します。
別記事で不動産の記載方法をご紹介しております。
財産目録を使用すると、「目録1」や「目録2」で済みますので負担が軽いですね。

パソコンで作った財産目録の見本をご紹介します。
まずワードやエクセルで必要な情報を記載したタイプです。
不動産の特定方法は、不動産登記簿の表題部に書かれた内容を記載します。
右上に別紙1と記入して、タイトルは財産目録で土地建物の情報を記入します。
最後に遺言者の署名(自筆)と印鑑を押印します。

お次は不動産の登記簿のコピーを貼り付けたタイプです。
法務局で取得した登記簿謄本の全体、もしくは一部の写しを貼り付けます。
一部を貼る場合は表題部を切り取る形になります。
見本画像は全体を貼り付けておりますが、実際は一部の方が多いのかなと思います。
(枚数が多くなると、目録の数も増える為)
コピー貼り付けの良い所は、タイプミスを防げることです。
財産の特定の確実性が上昇する部分もありますね。
これにも目録番号と遺言者の署名と印鑑が必要です。

次は預貯金の財産目録の見本です。
右上に対応する別紙番号を記載します。
番号を間違えると財産特定がおかしくなり無効になるリスクがあるので注意しましょう。
預金の場合は、銀行名、支店名、口座の種類(普通、定期など)、口座番号などを記載します。
(口座番号は省略できる場合もあります。)
口座番号の書き間違いに注意しましょう。
(書き間違いでトラブルになること多し)
口座のリストの後に署名と印鑑を押印します。

お次は通帳見開き写しを貼付した財産目録の見本です。
右上に目録番号を記載し、タイトルは財産目録、通帳コピーと署名と印鑑です。
口座の数が増えると枚数が多くなりますが、預金口座の特定が容易です。
また書き間違いリスクが無くなるので、とても良いかと思います。
こちらも遺言書と目録番号の一致に気をつけてくださいね。
以上がパソコンやワープロで作成する財産目録についてでした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪府行政書士会 国際研究会会員
大阪府行政書士会 法人研究会会員
大阪府行政書士会 本会相談員(身分系業務)
大阪府行政書士会 旭東支部 無料相談員(城東区役所担当)
【大阪府行政書士会より表彰】

【ご依頼者さまから頂いたお手紙】

【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
相続手続き(相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書、各種名義変更)
終活支援(遺言書作成、任意後見制度など)
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