この記事は死後事務委任契約と死亡届の関係について。
自分亡き後の事務手続きを第3者に依頼するのが死後事務委任契約です。
死後事務委任契約は万能ではなく、この契約単体ではできない手続きも存在します。
それが死亡届の届出人になることです。
死後事務委任契約の受任者(依頼を受けた人)が死亡届にも対応できるようにするには、任意後見契約を結んでおく必要があります。
死後事務のトータルでのサポートは複数の契約を組み合わせて行います。
本題に入る前に、この契約について簡単にご説明します。
死後事務委任契約とは、委任者が亡くなった後の手続きを第3者にお願いするものです。
お一人さま(独身者)や家族や親戚に後始末を頼みにくい人が、この契約を考える人が多いです。
(ほとんど交流がない親族に迷惑を掛けたくない)
死後事務の内容は以下のものがあります。
死後事務は亡くなった人に関する手続きになります。
死後事務委任契約は、生前の元気な内に信頼できる家族や知人、専門家などに依頼します。
弊所でも死後事務のサポートなど終活支援を行っております。
ご興味がある方は、お問い合わせフォームかお電話ください。
ご遠慮は無用です。
死亡届とは人が亡くなった後に市役所に提出する書類です。
上記の画像は大阪市から拝借いたしました。
https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000369831.html
A3サイズの書面で、死亡診断書(検案書)と死亡届がセットになっています。
まずは医師から死亡診断書を貰い、左の死亡届を記入して市役所に提出すると住民票や戸籍に「死亡」と記載されます。その後で火葬許可証を貰い火葬した後に埋葬許可証になります。
死亡届の手続きは葬儀屋さんが行うので、死後事務の委任者や遺族はあまり見ることはないです。
死後事務委任契約だけでは提出できない仕組みになっています。
上記の画像に届出人の欄があります。
(緑色で囲った部分)
死亡届の届出人は戸籍法で定められた人しか提出できないとあります。
葬儀屋さんは届出人の使者(お使い)になります。
この欄には死後事務委任契約の委任者の名前がありません。
(死亡届や戸籍法が作られた当時は、死後事務委任契約は滅多になかった)
そのため死後事務委任契約だけで、死亡届は出せません。
死後事務委任契約だけ結んだ場合、死亡届の段階で頓挫する可能性があります。
友人や知人、専門家(行政書士など)が死亡届の届出人になるためには、任意後見契約を結んでおく必要があります。
上記の死亡届の届出人欄「⑫任意後見人」、「⑬任意後見人受任者」があります。
そのため専門家が死後事務委任契約を結ぶ際には、任意後見契約もセットで行います。
契約を結んでおけば、⑬の任意後見人受任者になり、死亡届を受任者(託された人)の名前で出すことができます。
任意後見人契約とは、対象者が認知症などになった時に財産管理や身上管理を任せる為の契約です。
メリットは自分が信頼できる人を確実に後見人にすることができることです。
家庭裁判所で決める法定後見は、候補は出せるけど誰が後見人になるか分かりません。
任意後見契約は、締結しても即座に効力を発揮しません。
被後見人(対象者)が重度の認知症などになった場合に、家庭裁判所に届出ることで効力が生まれます。
任意後見契約をしたけど、本人がシッカリしていれば使う事はございません。
(契約が発動することなく、亡くなるケースも多い)
死亡届を出す方法として、生前に親族に死亡届をお願いしておく方法があります。
死後事務と一部の公共料金系の手続きをお願いするケースです。
死後事務全体は負担が大きいけど、一部だけ頼めるならお願いしておくと良いかと思います。
最後に万が一、友人知人が死後事務に受任者になり、任意後見契約が無かった場合について。
死亡届を出せなかった場合、火葬も出来ずに放置されるのか…
火葬を放置された話は聞いたことがないので、それなりの対応策あります。
(無かったら孤独死の人は火葬されずに白骨化しても放置に…)
まずは死亡届を出せる資格がある人にお願いする方法です。
まずは親族に話を持って行きます。
連絡がつかないなどの場合は、別の資格者にお願いすることに。
例えば賃貸住宅なら大家さん等に。
実際に親族が遠方で誰も直ぐに来れない状況の時、賃貸の大家さんが届出人になった事例もあります。
誰も協力者が現れない時は…
最後の手段で市役所の戸籍担当部署などと相談になると思います。
届出人欄には公設所の長とありますので、自治体が火葬までは対応することなります。
(身寄りのない孤独死などは、自治体が火葬までは行っていることが多い)
これらの方法は時間がかかります。
死亡届が出せないと火葬や埋葬ができません。
その間、遺体を保管する必要が出てきます。
死後事務委任契約だけでは、死亡届が出せずに火葬まで時間がかかります。
また関係者も届出人を探すために東奔西走することに。
この様な状況にならないように、終活していたのに…
とならないように、死後事務委任契約でできることやできない事を把握しておきましょう。
終活準備は色々と複雑で分かり難い部分があります。
可能なら行政書士などの専門家と相談しながら、進めることをお勧めします。
以上が死後事務委任契約だけでは不十分?死亡届は誰が出すでした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪府行政書士会 国際研究会会員
大阪府行政書士会 法人研究会会員
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
相続手続き(相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書、各種名義変更)
終活支援(遺言書作成、任意後見制度など)
国際結婚や永住許可など身分系在留資格のサポート
年間相談件数は、500件を超える。
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