![漫画、一身専属権とは]()
この記事は相続における一身専属権について解説します。
マンガでこの権利について書いてみました。
最低限の内容はカバーできていると思います。
一身専属権は相続の対象外
![一身専属権は相続の対象外]()
これは文字通り、その人個人に専属する権利を指します。
その人に紐づけられ、その人だけに認められる権利です。
一身専属権はその人が亡くなると消滅して、相続人が引き継ぐことはできません。
また売却など譲渡、差し押さえ、代理で行使することも出来ません。
一身専属権の種類
一身専属権には以下のようなものがあります。
相続で関係しそうなものをピックアップいたしました。
- 本人が取得した資格
- 雇用契約、議員などの地位
- 生活保護費受給権
- 扶養請求権
- 公営住宅の使用権
- 著作人格権
- 配偶者居住権や短期配偶者居住権
- 委任契約(死後事務など例外あり)
- その他(本人の死亡と同時に消滅する契約)
本人が取得した資格
一身専属権の代表的なものとして、本人が取得した資格が挙げられます。
例えば運転免許、施工管理技士、医師、看護師、弁護士、税理士、司法書士、行政書士などの資格があります。
(私が行政書士なので士業の割合が多くなってしまいます)
これらは受験資格を経て試験合格しないと取得できないものです。
取得者が死亡すると本人が持っていた資格は消滅します。
雇用契約、議員などの地位
企業の正社員や公務員など雇用契約に基づいた地位。
地方議員や衆議院、参議院の議員なども一身専属権の一つです。
在職中に本人が亡くなると、ポジションも消滅します。
世襲議員も一応は選挙を通じて代議士などになっております。
(当たり前と言えば当たり前な話ですね)
生活保護費受給権
次に生活保護を受給する権利です。
これも本人に紐づいた権利になります。
親の生活保護受給者を引き継ぐことは出来ないです。
扶養請求権
扶養請求権とは、生活に困窮した人が扶養義務のある親族(直系血族や兄弟姉妹など)に対して、最低限度の生活費を請求できる権利です。
要は家族に面倒を見てもらえる権利ですね。
根拠は民法877条に規定があります。
(扶養義務者)
第八百七十七条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
引用:E-gov法令検索民法
基本的には未成年の子に関しては親は絶対的な扶養義務があります。
それ以外の親族については、未成年の子ほどに強い義務はございません。
公営住宅の使用権
市営住宅や府営住宅などの公営住宅の使用権も一身専属権に該当します。
公営住宅は本人の経済状況や家族構成で決まるもので、契約者本人が死亡すると使用権は無くなります。
判例でも公営住宅の使用権は一身専属権とハッキリ判示しております。
ちなみに平成30年の行政書士試験の行政法の問題でも公営住宅の使用権について出題されました。
親や配偶者が亡くなった後も公営住宅に住んでいるのは、別途審査の結果です。
著作人格権
著作人格権とは著作物の作者だけが持つ権利です。
人格権には著作物の公表権・氏名表示権・同一性保持権があります。
これらは著作者が死亡すると権利が消滅する一身専属権です。
そのため著作人格権は相続や譲渡することは出来ません。
(商業の世界では権利行使を放棄させられることが多いです)
普通の著作権は相続財産の一種になります。
著作権は死後70年間保護されます。
著作権と言えば1928年に初期ミッキーマウスの著作権が2024年1月にキレてパブリックドメインになったと聞きます。
配偶者居住権や短期配偶者居住権
配偶者居住権とは、相続で残された配偶者が亡くなったパートナー所有の自宅に住み続けることができる権利です。
ちなみに無償で一生または一定期間(短期配偶者居住権)住むことができます。
2020年4月に新しくできた権利で、残された妻・夫の生活を守るために制定されました。
所有権とは別の権利で、配偶者居住権は譲渡も売却できません。
居住権を持つ配偶者が無くなれば、この権利も消滅する一身専属権の一種です。
関連記事:配偶者居住権について漫画で解説
委任契約(死後事務など例外あり)
これは権利というのか、判断に迷うところですが…
各種委任契約は契約者にご不幸があった時は効力を失います。
委任契約の相手方も一身専属権の一つと言えます。
例えば行政書士に遺産分割を委任した場合、その行政書士が亡くなれば契約は終了します。
無関係かつ無資格の相続人が委任契約を相続しての継続は怖いと思います。
以上が一身専属権とはについてでした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。