この記事は墓じまいについて全般的な内容を解説します。
詳細な内容は別記事で解説を予定しております。
墓じまいがどの様な物か分かり易くご紹介します。
墓じまいとは、現在のお墓を撤去することを指します。
撤去した墓に保管されていたお骨を別の場所(納骨堂や散骨)に移します。
撤去する為には今使っている墓地の管理者、市町村、新しい場所の管理者、親族と4者から同意と承諾が必要です。
墓じまいは想像しているより大変な作業だったりします。
また墓じまいと同時に仏壇や位牌の整理などを行うこともあります。
これを仏壇じまいと言います。
最近は墓じまいの件数が増えてきました。
墓じまいの年間件数は、約15万件と言われています。
件数は上昇傾向で、これからも15万件前後が発生し続けると思います。
弊所でも終活や相続の相談でお墓に関する話が頻繁に出てきます。
また私の実家の墓地でも墓石が撤去されてブルーシートが掛けられた箇所がチラホラと。
大阪の公設霊園ですが、山を切り崩して霊園にしているので墓参りが大変なのもあるのかと。
(京阪の臨時バスが無いと行くのが大変だったりします。)
私の事はともかく。
墓じまいが増えている背景は以下のようなものがあります。
まずは墓参りの負担が大きくなりすぎたについて。
お墓は実家の近くや山地にあることが多いです。
要は墓参りに行くのに時間がかかり、交通費など負担が大きくなること。
高齢になり体力的にもシンドくなることもあります。
若い時はお盆、お彼岸、年始、月命日の頻度で行っていた墓参りですが…
少しずつ行く回数が減り、気が付けばお盆だけ年1回行くのが精一杯など。
現在の日本は高齢化、少子化、未婚化が進んでおります。
自分の代が最後になる家も増えてきています。
(我が山田家も私か次の代で最後になりそうです。)
こうなると家の墓を管理する人が誰も居なくなります。
墓守が居なくなる前に墓じまいをと考えることに。
実際問題、墓守が誰も居なくなった墓が増えて、頭を抱えるお寺関係者も少なくありません。
(墓じまいを業務としていると、その様な話をよく聞きます)
または今は自分が管理しているけど、子供にまで負担を残したくないもあります。
少子化が進んで、複数の墓を抱える人が増えてきます。
私の親戚でも父方と母方と複数の墓を抱えることになった人も居ます。
(数十年後に抱える破目になるだろう人も…)
これからは何基も墓を抱えることになる人が増えると思います。
お墓は一つでも墓参りなど管理が大変なのに何基もあると…
その様な事態を避けるために墓じまいを検討する方も。
上記の画像にもある様に墓じまいは、大きく6つの流れがあります。
細かくすると10以上の工程がございます。
最初に行うことは、家族等に墓じまいする同意を得ることです。
同意を得てから次の工程に進みましょう。
民法上は、墓守(祭祀主催者)は単独になりますが…
実際の所は親族や家族の意向が強く反映されます。
本人が望んでも家族が反対していると墓じまいは難しくなります。
強行に墓じまいすると、後々に大きなトラブルに発展する可能性も。
(親族間のトラブルは逃げられないです)
次に墓地管理者の同意が必要になります。
理由は改葬許可の申請書に今使っている墓地の管理者から押印を貰う必要があるため。
自治体運営等の場合は書類を出せば、ほぼほぼ許可が貰えますが…
事務手数料などが発生することがあります。
お寺など宗教法人が運営する霊園だと難易度が高くなる傾向があります。
お寺からすると檀家が居なくなるので、お寺経営の問題も出てくるのかと。
同意をもらう為に離檀料やお布施が必要なケースもあります。
(今までのお礼を兼ねて)
次に遺骨の移転先を探します。
候補先としては納骨堂や永代供養墓地、樹木葬や散骨などがあります。
今は色々ありますので、ニーズにあった場所で契約しましょう。
場所によっては宗派の関係で契約出来ない場合もあります。
契約が完了しましたら、申請書に押印を貰います。
自治体の申請書には新旧の霊園管理者のハンコが必要です。
家族、新旧の墓地管理者の同意を得られたら、霊園を管轄する自治体に改葬許可申請書を行います。
申請書を役所の窓口で貰うか、インターネットで入手します。
役所指定の必要書類と申請書を添付して担当窓口に提出します。
早い所だと即日で時間が係る場所だと1週間前後で許可証が発行されます。
改葬許可申請については、別記事で詳しく解説しています。
ご興味ありましたら、こちらもご覧いただけますと幸いです。
役所から許可が出た後は、石材屋さんに依頼してお墓を撤去します。
撤去と同時に遺骨を回収します。
この時に僧侶の方に閉眼供養(魂抜き)を行ってもらうことが多いです。
(お墓をただの石に戻す儀式)
石材屋さんは自分で探すケースと霊園指定の業者にお願いする場合があります。
この辺りは管理者の同意を得る時にお聞きすると良いでしょう。
最後は引き取った遺骨や骨壺を新しい霊園や納骨堂に納めます。
散骨の場合はパウダー状にした後で海などに放流します。
ここでも霊園によっては開眼供養を行うことがあります。
ここまで行って墓じまいが完了します。
お疲れさまでした。
ここからは墓じまいの費用について。
墓じまいを検討する中で一番気になる部分だと思います。
正直言うと費用は霊園や墓の数、改葬先、石材店によって大きくブレます。
安い場合は30万前後から高い時で数百万になります。
ここでは目安となる金額をご紹介します。
墓の撤去費用 | 20万~30万円 |
---|---|
閉眼供養 | 3万円~5万円 |
事務手数料 | 3万円~5万円 |
改葬の費用 | 10万円~数百万 |
上記の表はあくまでも目安です。
撤去費用はお墓1基あたり20万~30万円程度になります。
複数の墳墓や墓地の場所などで費用が変わります。
また霊園によってはお布施や離檀料が発生することも
この金額も相場が有ってないような部分があります。
費用が大きく変わるのは、新しい供養先です。
新しくお墓を建立するのか、納骨堂、永代供養墓、散骨にするか。
お骨をどこに納めるかなどで大きく変わります。
また自治体によっては、補助金や助成金などが有るところも。
(殆ど無いですが、もしかしたら該当する人も)
最後に墓じまいに於ける注意点やトラブルについて。
墓じまいは関係者が多い手続きになります。
関わる人が多くなればなるほど、色々な問題が発生するものです。
まずは家族や親族で墓に対する意見が異なる場合。
貴方は墓じまいしたい、他の親族が強く反対している。
この時に強引に墓じまいしてしまうと、後々まで引きずる事が多いです。
次に霊園管理者との交渉です。
管理者の住職さんも人間です。
初期対応を誤って、先方の気を害してしまうこともあります。
結果、申請書にハンコを押して貰えないケースも。
最後は墓じまいの費用です。
お墓を撤去するのは想像しているより金が掛かります。
誰が負担するのか、費用が上振れしてしまった。
この様な問題が発生することも。
墓じまいをしないでお墓を放置すると、色々なリスクやトラブルの原因になります。
(今日明日にトラブルが表面化しないので質が悪い部分も)
墓じまいは簡単そうに見えて、意外と考えることやすることが多いです。
どの様にすれば良いか、分からなくなった時はお気軽にお問い合わせください。
ご遠慮は無用です。
以上が墓じまいについての解説でした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
行政書士やまだ事務所 所長
行政書士 山田 和宏
日本行政書士会連合会 13262553号
大阪府行政書士会 6665号
申請取次行政書士(大阪出入国在留管理局長承認)
大阪府行政書士会 国際研究会会員
大阪府行政書士会 法人研究会会員
【適格請求書発行事業者】
インボイス登録済
番号:T1810496599865
【専門分野】
相続手続き(相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書、各種名義変更)
終活支援(遺言書作成、任意後見制度など)
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